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花粉症

乳幼児は花粉症になる?いつから?

乳幼児は花粉症になる?いつから?花粉症は、体内の抗体が一定量に達することで発症します。個人差はありますが、0歳児でも発症することがあります。
近年、スギ花粉症を発症するお子さんの年齢は低下傾向にあり、1〜2歳頃から症状が出始めるケースが増えています。実際に、2021年版のアレルギー性鼻炎ガイドによると、0〜4歳の子どものうち約3.8%がスギ花粉症を有しているとの報告もあります。
中には、ハウスダストやダニなどによる通年性アレルギー性鼻炎を併発することもあります。

花粉症の症状と見分け方

子どもの花粉症の症状

花粉症の症状と見分け方

  • 鼻水や鼻詰まり、くしゃみ
  • 鼻をすすりがち
  • 鼻を頻繁にこする
  • いびきをかく
  • 目をかゆがっている

花粉症になると、花粉が多く飛ぶ時期には鼻や目のかゆみ、鼻づまりが強くなります。
また、睡眠不足になるお子さんも少なくありません。その影響により、昼間の授業や習い事に集中できず、ぼんやりしてしまうこともあります。
「花粉症くらい…」と思われがちですが、小さなお子さんにとっては日常生活に大きな支障をきたす辛い症状です。気になる様子があれば、早めに小児科を受診しましょう。

花粉症と風邪の見分け方

症状が続く期間

花粉症は、花粉の飛散量が多い日に症状が強くなり、花粉が少ない日や屋内では、比較的落ち着く傾向があります。一方、風邪は通常数日から1週間ほどでよくなります。

症状

花粉症は透明な鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ・充血などが主な症状で、喉のかゆみや咳を伴うこともあります。そして、高熱などの全身症状は起こりにくいです。
対して風邪の場合は、喉の痛み、発熱、全身の倦怠感、頭痛が見られ、鼻水や咳もありますが、鼻水は透明から黄色がかった色に変化することがあります。

子どもの花粉症は何科を受診する?

花粉症の症状が見られたら、まずはかかりつけの小児科で診てもらいましょう。
体質やこれまでの病歴を把握している医師であれば、風邪など他の可能性も踏まえて適切に判断してもらえるため、よりスムーズに診察が進みます。必要に応じて、眼科や耳鼻科での診察を勧められることもあります。

子どもの花粉症の検査

アレルギー検査(採血)

当院では、採血によるアレルギー検査を実施しています。この検査では、アレルギーの有無に関係する「非特異的IgE抗体」と、特定のアレルゲンに反応する「特異的IgE抗体」を調べることが可能です。IgE抗体は、アレルギー原因物質が体内に入った際に、ヒスタミンやロイコトリエンなどといった化学物質を放出させ、様々なアレルギー症状を引き起こす働きを持っています。採血検査によって、IgE抗体の総量と、どのアレルゲンに反応があるかが把握できるため、より有効な治療方法の選択に繋がります。

プリックテスト(皮膚検査)

皮膚にアレルゲン液を滴下し、細い針で軽く押すプリックテストも実施しています。負担が少なく、約15分で結果が判明するため、その日のうちに結果が分かるというメリットがあります。

子どもの花粉症の治療方法

スギ花粉症の場合は、花粉が飛び始める前から治療を開始するのが理想的とされているため、日本気象協会の花粉情報を参考にしながら、適切な時期に治療を始められるようサポートします。

内服薬・点眼・点鼻薬

抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬の内服+点眼薬や点鼻薬の併用で、症状の緩和が期待できます。
内服薬には、第2世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬などがありますが、薬の成分によっては、使用できる年齢に制限が生じる場合もあります。

舌下免疫療法

舌下免疫療法とは、アレルゲンを含む内服薬を舌下に置いて、少しずつ体を慣らしていく療法です。長期的な治療が必要ですが、症状の緩和だけでなく、完治を目指すことも可能な唯一の治療法です。これまで一般的だった皮下注射に比べて、痛みや副作用が少なく、通院回数も抑えられることから、近年注目を集めています。
当院では、お子さんだけでなく保護者の方も一緒に治療を受けることが可能です。気になる方はぜひお気軽にご相談ください。

皮下免疫療法

アレルゲンを含む薬剤を注射で少しずつ体内に取り入れ、体を慣らしていくことでアレルギー反応が起きにくい体質を目指す治療です。
増量期には週に1回程度の通院が必要ですが、維持期に入れば月1回の通院で済むため、負担が軽減されます。舌下免疫療法と同等の効果が期待でき、皮下免疫療法を選択される方もいらっしゃいます。詳細は当院のスタッフまで、お気軽にお問合せください。

赤ちゃんが花粉症にならないためにできる対策は?

花粉が多い日は外出を避ける

花粉症の時期は、飛散量を確認しておくことが大切です。飛散が多い日には外出を控えるか、なるべく短時間で済ませましょう。特に、風の強い日や雨が降った翌日は、花粉が多く舞いやすいため注意が必要です。

ツバの大きい帽子をかぶせる

赤ちゃんはマスクができないため、外出の際はツバの広い帽子をかぶせて、顔に花粉がかかるのを防ぎましょう。

帰宅時に花粉を払い、すぐ着替えさせる

外出後は髪や衣類についた花粉を室内に持ち込まないよう、玄関前で払い落とすことが大切です。衣類はすぐに着替えて洗濯しましょう。

洗濯物を外に干さない

外に干すと花粉が付着し、室内へ入り込んでしまいます。部屋干しや乾燥機を活用しましょう。

空気清浄機を使用する

室内に入り込んだ花粉の除去には、空気清浄機が有効です。窓を長時間開けっぱなしにせず、換気は最小限に留めて清浄機を併用しましょう。

部屋を加湿する

乾燥すると鼻粘膜が乾燥するため、花粉を排除する力が弱まってしまいます。そのため、部屋は常に、40〜60%程度の湿度に保ちましょう。加湿器や濡れタオルなどを活用してください。